経済産業省の調べで2030年には79万人のIT人材が不足すると言われていますが真実なのでしょうか?といった疑問に現役SEが答えます
エンジニアが不足する理由
将来のニーズが高まるエンジニアの種類
本記事を読めば上記の点を理解できます。
ITエンジニア不足するって本当?
経済産業省の試算では2030年に最大で79万人のIT人材が不足すると言われています。
労働生産性の改善や需要の伸びなどから推測されています。
人材需要の伸びを3パターンにわけ算出されていて、低位シナリオで16万人、中位シナリオで45万人、高位シナリオで79万人のIT人材不足になるという結果になっています。
実際に、新型コロナウィルスによるDX(デジタルトランスフォーメーション)化の追い風によってIT人材ニーズが浮き彫りになりました。転職サイト「doda」の調査によると日本全体の有効求人倍率が2〜3倍を推移している中でIT・情報通信業迂回の有効求人倍率は5〜10倍と需要拡大の現状が顕になっています。
エンジニアが不足する3つの理由
エンジニアが不足する理由は大きく三つあると言われています。
まず外部要因です。シンプルに需要と捉えることができます。
IT市場の拡大
IT市場規模は年々拡大し、2021年は19兆円、2022年には20兆円に迫ると言われています。
政府主導でペーパーレス化やキャッシュレス決済などのDX化が背景にあります。またこれからの社会では全ての産業にITが密接に関わると言われています。多くの産業のシステムやサービスの中心に情報技術を要します。
市場が拡大するということは、ITに携わる人間が増加することになります。
急速に変化する技術トレンド
すでに普及しつつある技術トレンドだけでもIoT(Internet of things)・クラウド・5G・RPA(ロボティック プロセス オートメーション)などは耳にする機会が多いのではないでしょうか?
今後、普及する技術トレンドとしてはNFT(非代替性トークン)・ローカル5G・XR(AR VR SR)・AIOps(人工知能)あたりでしょう。今あげただけでもかなり幅広い領域で新たな技術が生まれています。
このような新しい技術を活用する際に、各技術への理解を高めた人材が必要になります。運用や保守まで考慮するとIT人材ニーズが減ることは考えにくいです。
次に内部要因です。こちらは供給量とも言えます。
IT業界の労働環境
企業はIT人材の獲得や育成に注力します。しかしIT人材ニーズの拡大とIT人材の不足によって、既存のIT労働者に大きな負荷がかかることになります。結果として長時間労働や休日出勤といった想定以上の労働が求められる企業もあるようです。さらに低賃金労働という問題が加わります。
上記のような環境だと離職率が高くなり、求めるレベルのIT人材を育成できないという負のループを生み出してしまいます。必要なリソースを用意しない企業によって、IT人材の供給が追いつかない状態になっています。
上記3つの理由によってエンジニア不足という問題が引き起こされます。
ITエンジニアになるべき?
ITエンジニアになるメリット
社会的なニーズがあるITエンジニアになることは、終身雇用制度が崩壊しつつある日本において合理的な選択と言えます。
IT人材のニーズ拡大によって、売り手市場となり転職やキャリアアップの実現がしやすい環境となっています。
また平均年収も約460万円と全体平均より40〜50万円ほど高く推移しています。
実際に3年ほど新卒で勤め転職したら年収がほぼ倍まで上がったなんて話もあるみたいです。
食いっぱぐれたくない、ある程度は稼ぎが欲しいといった方は追い風のITエンジニアを目指すべきです。
ITエンジニアになるデメリット
ブラックIT企業で消耗してしまうことです。ハズレ企業を引いてしまう可能性が高いです。
有象無象のIT企業がいい部分だけを見せて人材確保するケースは珍しくありません。
離職率や残業データなども正直、手を加えられているパターンも多いです。
就職活動や転職活動の際は入念にリサーチし候補を剪定しましょう。
必見!これから需要が高まるエンジニア3選
経済産業省の調査では、先端IT市場の拡大が明らかになっています。
IT業界への就職や転職を検討する際は、ニーズの高い先端IT分野を選択する方が生き残りやすいと言えます。
AIエンジニア
AIエンジニアとは機械学習やデータ分析などのAI分野を専門とするエンジニアのことを指します。人工知能を使った音声・画像認識などの技術は汎用性が高く、自動運転から医療分野などでの活用が期待されています。
データサイエンティスト
データサイエンティストとは、データに基づく合理的な意思決定またはサポートを行う人のことを指します。企業は基本的にデータから意思決定を行うため、正しくデータを扱える人材ニーズが高まっています。明確にエンジニアという名称ではありませんが、数学・IT技術・ビジネスインテリジェンスという複合的なスキルを求められます。
RPAエンジニア
RPAエンジニアとは、業務プロセスと自動化を専門とするエンジニアのことを指します。人手不足の解決策として注目を浴びていて、銀行で導入され数千時間の作業が自動化されています。全ての業界で求められるソリューションであるRPA構築は既に高いニーズがあリます。一方でRPAに携わった経験があるエンジニアが少ないことから希少価値が高いエンジニアです。
まとめ
2030年IT人材不足の問題を理解していただけましたか?
ポイント
IT人材不足は既に始まっている
先端ITで合理的に勝ち抜く
IT人材不足を逆手に高待遇を目指すことも可能なのでITエンジニアという選択肢を検討してみは?